第1回 「早起きは三文以上の徳 1」


 写真が展示されている色々なホームページを数多く拝見し、一番に感じたことをそのままに第1回のタイトルとしました。

 ちょうど今、紅葉シーズンです。全国的にはすでに紅葉が終わった地方もあるでしょうが、九州はまだまだ始まったばかりです。
 写真が展示されているホームページでは、「○○の紅葉」などのタイトルで早々と紅葉の写真がアップされています。
 確かに「○○の紅葉」には違いないのですが、撮影者が早起きをしてその場所に居合わせていたのなら、もっとすばらしい写真が撮影でき、それを拝見できたであろうホームページが数多くあることを非常に残念に感じます。

 「手前には水面が広がり見事な紅葉と青い空」という一枚の写真があります。この写真に早起きすることによってしか出会えないであろう、それぞれ次のような要因が加わったとします。
 朝、水の温度より気温が低いと水面から霧が発生します。やがて日の出を迎え、その霧に斜光が差し込み、朝に焼けます。
 どうでしょう、これだけでも一枚の写真に様々な表情が加わっていくと思いませんか? 「手前には水面が広がり見事な紅葉と青い空」という一枚の写真には、もう何も加わりませんし、ただそれだけの写真でしかありません。それでは、何かを加えようと夕焼けを待つのも一つの手段ではあるのですが………
 それとここまで、そんなに上手い具合に水面から霧が発生したり、その霧に斜光が差し込むものかと思われた方もおられると思いますが、そう、そのとおりです。

 では、それを少しでもすばらしい光景に出会えるように近付けるにはどうすれば良いかということになります。天気予報で「明日は晴れ、朝の冷え込みが一段と厳しく………」とあれば一つ条件が整ったと言っても過言ではありません。天気予報が同じでも更に気温が低く水面が凍れば、それはそれで霧が発生しなくてもすばらしい出会いとなります。
 斜光を期待するなら太陽がどこから昇ってくるかが大事になってきます。それが分かればまた一つ条件が整ったことにもなります。

 行き当たりばったりではなかなか良い写真が撮影できるものではありません。良い写真を撮影するためには、それぞれ、写真を撮影すること以上に色々な知識や努力が必要だと思います。
 早起きをせずに撮影の目的地に到着しても、到着した以前のすばらしいであったであろう光景には出会えないということです。
 条件が揃っていても駄目な場合のほうが多いというのが現実だと思います。だからといってあきらめないで、すばらしい光景に出会うために挑戦しさらに努力することが、また大切なことだと思います。 

 紅葉のシーズンということで、その光景を例にとって述べましたが、これはすべての季節に、そして日々に当てはまることです。
 早起きをして目的地に到着し、そこで出会えた光景は、三文以上の徳どころではない非常にすばらしいものだと思っています。

 水の温度より気温が低いと水面から霧が発生する例、春の景 7春の景 11春の景 16
 霧に斜光が差し込んだ例、春の景 10
 水面が凍った例、秋の景 1

 第2回は、「早起きは三文以上の徳 2」です。

2001.11.08





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