第3回 「二つのアクセサリー」


 二つのアクセサリーの一つ目は、コンパスです。コンパス、磁石です。今でも付いているのがあるのでしょうか、子供のころ遠足などに持って行った水筒のふたに付いていたのがそれなのですが………
 北さえ正確に分かれば充分なのですから、簡単なコンパスでいいのです。写真アクセサリーではありませんが大変役に立ちます。

 写真撮影を仕事にしているとロケハン(下見)というものがあり、それを行うことで撮影が迅速に行えたり、より良い写真が撮影出来たります。室内での撮影の場合は、それほど問題ない(全くないわけではありません)のですが、室外での撮影の場合は、太陽の位置が非常に重要になり、効率よく撮影を進めるためにもロケハンは大切なものなのです。
 その大切なロケハンの時に天候が悪く、太陽が出ていないとすると全くロケハンにならない場合があります。ましてや初めての場所では方向が正確に分からない場合もあります。その時に頼りになるのがコンパスです。北さえ分かれば、北を向くと当然のように後ろが南、右が東で左が西になります。それが分かれば太陽が出ていなくても、この方向から撮影するのは何時頃、次の方向からは何時頃と撮影予定が出来上がります。

 コンパスで北が分かりました。太陽が昇ってくるおおよその位置を知るためには、次のことを分かっていることが大事です。
 それは、太陽の昇ってくる位置が毎日少しずつ動いているということです。では、太陽の昇ってくる位置がどのくらい動くのかを大まかに説明します。
 北が分かって東も分かりました。そこで、東を向きます。向いている真東から太陽が昇ってくるのが春分の日と秋分の日です。その真東を基準に、夏至の時は30度北側から、冬至の時は30度南側からとなり、太陽は半年で60度、一ヶ月で10度も動きます。
 このことを分かった上で、現在いる場所がどこか、海なのか山なのかを考慮して、太陽が昇ってくるおおよその位置がつかめると思います。
 使用中のコンパスは、文房具屋さんで入手しました。

 太陽が昇ってくる位置を考慮した例、春の景 8夏の景 6秋の景 8
 特に「夏の景 6」と「秋の景 8」は、ほぼ同じ場所からの撮影なので、「夏の景 6」の右側と「秋の景 8」の左側とがつながったパノラマだと理解いただければ、太陽が昇ってくる位置が夏から秋にかけて右へ、南側に大きく動いたのがお分かりいただけると思います。


 二つ目のアクセサリーは、風景を撮影するのにどうしても必要な水準器です。特に35mmのカメラを使用している人も含め、ホットシュー(アクセサリーシュー)に差し込める2ウェイ・タイプの水準器を薦めます。
 これなら上から覗き込むようなタイプに比べ、水準器が目線より高くなっても充分に大丈夫です。

 風景を撮影するのに水平方向はともかく、カメラを上や下に向けたりで垂直方向など水準器で合わせる必要などないじゃないかと思われる人も多いと思います。
 それでは、30度位の傾斜がある坂道に三脚を立て、レンズが坂道と直角になる方向にカメラを取り付け、これで水平垂直は大丈夫と自信のある箇所で固定後、水準器を取り付けてみてください。ぴったりと合っていましたか?
 撮影者が傾斜地にいるための錯覚です。そのことが水準器を取り付けると分かると思います。水準器が間違っているのではありません。

 まず、水準器で水平垂直を確保してから、カメラを上や下に向けたり左右に傾けるようにしてください。水平を確保しながらの状態でカメラを上や下に向ければ、水平線や地平線が傾くことはありません。
 水平線や地平線が傾むいたままで撮影した写真を、トリミングで真っ直ぐにしても何となく違和感があるものです。
 水平垂直を確保すると、ファインダーからの見た目で傾いているものを目立たないように修正したり、時には迫力を増すためにより以上にカメラを傾けることが出来るようになります。

 スナップ写真ばかりで三脚を使用しない人は、こんなことをやってみてください。
 カメラを持って鏡の前に立ってください。さあ、カメラを構えてください。鏡に写っているカメラは水平ですか? 水平が基本です。人には、それぞれ左や右に上がったり下がったりと癖があると思いますので、このようにして自分の癖を知り、それを直してみてください。

 第4回は、「学生時代の課題」です。

2001.11.10
改題・改訂 2001.11.20





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うつろひ